「小説推理」2024年12月号(10月27発売) から『炎陽を撃て』の連載が始まりました。
本日(11月10日)からは、「Web 小説推理」でも公開されています。無料の会員登録を行うと、毎回、本作の全文が無料で読めます。パソコンでもスマホでも可。
https://colorful.futabanet.jp/list/suiri
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連載第1回で扱っている「第二次国共内戦に日本軍の兵士が多数巻き込まれた」という話は史実で、中国山西省日本軍残留問題という有名な事件です。戦後、裁判にもなりました。なお、本作ではフィクションの部分が大きく、一部の地名・軍隊に関する名称・各種の出来事には、創作が加わっていることをお断りしておきます。
史実について詳細を知りたい方には、池谷薫『蟻の兵隊 日本兵2600人山西省残留の真相 』(新潮文庫) がとてもわかりやすく、まずお勧めです。これは同名のドキュメンタリー映画を史料の面から補強した書籍です。映画単体では理解が難しい部分を詳しく知ることができます。関連書は他にも複数あり、ネット上では当事者の証言記録なども読めます。興味をお持ちになった方は、ご参照いただければ幸いに存じます。
今月27日発売の「小説推理」連載第2回では、主人公たちは中国四川省へ移動。そのあと物語は、同時期のチベット、日本へと拡大していきます。自分の作品としては珍しく、チームを組んで戦う人々の物語です。個性の異なる人々が小隊のメンバーとなり、ひとつの目標に向かっていきます。登場人物同士の葛藤や、そこから生じる新たな心の交流なども読みどころのひとつです。また、戦時上海三部作(『破滅の王』『ヘーゼルの密書』『上海灯蛾』)と同じく、この時代の科学史上の大きな出来事も、要素のひとつとして扱います。連載期間は一年と少し。
歴史×冒険エンターテインメント長編の新作を、何卒よろしくお願いいたします。