【コラム】SF・Fantasy・漫画(1) はじめに

(※このコラムは、過去にTwitterに投稿したツイートに加筆した記事を掲載しています。途中からは、新たに書き起こす記事になります。※)
 
 
「日本SF史」という言葉を使うとき、多くの場合、そこで取りあげられるのは「SF小説」の歴史だけです。しかし、日本では「SF小説」と同時に「SF漫画」がハイレベルで発展してきたので、両者は切っても切れない関係にあります(相互に関係し合って発展してきました)
 
少年誌・青年誌におけるSF漫画の歴史はよく語られるところなので、こちらでは、日本SF史から情報が欠落しがちな「少女漫画にカテゴライズされるSF漫画」「女性作家が一般向けに描いたSF漫画」について、まず言及し、加えて、「女性向け雑誌でSF漫画を書いていた男性作家」「ペンネームからは性別がわからない作家が描いたSF漫画」まで視野に入れて、ブログ主が、個人的な思い出や感想を書いていきます。少年誌・青年誌のSF漫画についても余裕があれば触れます。ジャンルを絞った読書メモみたいなものです。
 
さて、70~80年代の女性向け漫画雑誌における、女性漫画家や男性漫画家の活躍(少女漫画雑誌におけるSF漫画の百花繚乱)は、日本SF史において絶対に無視してはいけない宝の山だと、私は思っています。それについてまとめた一級の資料があります。
 ●『少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代』
 (編集:図書の家/著:萩尾望都、脇明子、井辻朱美、野阿梓、想田四、石堂藍)
  http://rittorsha.jp/items/16317427.html
 
巻末の年表が、大変な労作です。この時代の作品をリアルタイムで読んでいた方でも、短編まで含めた初出を、正確に記憶しているわけではないと思います(おおむね、小学生低学年から、20代前半あたりまでの体験であるはずなので) 年表でデータを確認して、初めてわかることも多く、この話題を語るときには必携の書です。