●作家生活を長く続けていると、本来の執筆業務以外で、ものを書く必要に迫られるようになる。無報酬になってしまうので嫌(本当は作家がやるべき仕事ではないと思う)なのですが、書き残しておかないと、第三者によるデマや無責任な発言の温床になるので、記録を作る必要が生じます。
●というわけで、何年か前からやっているのが、まず、自分自身に関する記録を残すこと。トークイベントの内容を活字にして、紙書籍と電子書籍で販売しています。
●もうひとつは、自分の出身ジャンルについて書き残しておくこと(2000年代のSF系新人賞周辺の話)なのですが、これが、なかなか話がこみいっていて、文章にするのがしんどい。該当の賞が継続していればやる意味もあるが、休止して10年以上経っているし。ただ、ときどき、当時の状況をご存じない方が、公的な場で、不充分な(もしくは、間違った情報)を発信するようになってきたので、どこかに情報を残しておかねばならない。
●昨日はSF系のイベントが3つも重なっていた。
・応用哲学会
https://twitter.com/JacapW/status/1301831102596751360
・中日SFサミット
https://twitter.com/t_trace/status/1309741882927276033
(以下、関連ツイートが連続して有り)
・SF作家の菅浩江さんトークイベント
(Live Wire 池澤春菜&堺三保のSFなんでも箱#79)
http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=152757739
自分の用事を片づけつつ、上ふたつは断片的に観た。
中日サミットに関しては、夏のワールドコンのときにもやってみたのですが、スマホかPCで音声を流しつつ、もう一台のスマホで「会話を同時進行で機械翻訳してくれるアプリ」を作動させると、外国語によるトークでも、多少は意味を把握できるようになる。ただ、スマホによる自動翻訳は、機器の性能が追いつかない(会話の速度に自動翻訳機能が追いつかない)ようで、性能のいいタブレットを使えば止まらずに動くという報告も有り。
菅浩江さんのトークイベントは、すごかった。創作ノートを、惜しげもなく公開しておられた。作家志望の方は、こういうイベントは、なるべく機会を見つけて観たほうがいい。(ノートを公開しないタイプのトークでも参考になる)
実際に作品を読んでから聴けばさらに勉強になるが、読んでいなくても、最低限、書き方のポイントはわかる。いろんなタイプの作家の思考に触れることが大切です。
デビュー前、デビュー直後だけでなく、こういうイベントは、プロになってから観ても面白い。「そこで何をやっているのか」が明確にわかりますので。菅浩江さんは、今年の某SF系新人賞の公開選考会も、即、実戦向けのアドバイスのつるべ打ちで、すごかった(こちらは関係外のグループなので私はいつもは観ないのですが、菅さんが出演していたので観た)
作家志望者は観るべき。