発売一ヶ月前になりましたので、『破滅の王』(双葉社)の予約が、各オンライン書店で始まっています。店頭では、11月24日(金)前後から並び始めることと思います。よろしくお願い致します。
今回、少し長めの作品(800枚)となりましたので、四六判・二段組みのレイアウトで作って頂きました。ここしばらく、単発の長編は短めの作品(500~600枚)が続いていたので、久しぶりに、単巻で収められるぎりぎりの長さまで書きました。戦前の歴史は興味深い題材が多いので、機会があれば、また別の形で書きたいと思っています。
何度か言及していますが、この作品は『夢みる葦笛』(光文社)に収録の「上海フランス租界祁斉路三二〇号」という短編と同じ時代を扱っています。作中に登場する上海自然科学研究所は、著者の創作ではなく、当時、上海に実在していた日中共同研究所です。そこに所属していた研究員が、密かに、日中和平工作に関与していたのも実話です。また、第二次上海事変のあと、石井四郎が、たびたび上海自然科学研究所を見学していたのも実話です。今回は、この逸話をフックとして構成したフィクション(虚構)を、物語の中心としています。
SFやミステリではなく一般小説として書いた作品ですが、よろしくお願い致します。先に「上海フランス租界祁斉路三二〇号」をお読みになっている方は、両者の、題材の扱い方の違いや類似性を比較して頂くと、面白いかもしれません。
12月には、イタリアン・レストランを題材にした、短めの長編作品が角川春樹事務所(ハルキ文庫)から出ます。私が書いてきたグルメ系の小説群は、これで最後になる予定なので、よろしくお願いします。
あと『火星ダーク・バラード』と『ゼウスの檻』の電子書籍化作業が進行中なのですが、私が多忙過ぎて内容チェックに手が回っていないため、発刊は来年以降になります。ダーク・バラードは文庫版(改稿版)のデータから作成、ゼウスには若干の改稿をほどこします。データの配信日が決まったら、また、お知らせ致します。